2005年02月10日

グループホーム

afbdc0b4.JPGあるグループホームに行ってきました。
理事長は女性で、NPO法人です。

この理事長は奉仕員(今のホームヘルパー)、老健、特養、講師と歩いてきた方で、その中で本当の介護というのを模索してきたそうです。
あるとき、施設の片隅で一日中車椅子に座らされて(本人の意思とは無関係に)ただぼうっとしていた利用者がいたそうです。その方はいつもそうしておられ、とても気になっていた。その方は特に問題行動をするわけでもないので、施設としては都合のよい存在だったのです。理事長は、思い切って5日間この人についてみてみようと思い、実行しました。最初はあまり反応がなかったものが、日を追うごとに少しずつ心を開いてくるようになったとのことです。こちらが心を開いて思いを伝えていけば必ず相手の心も開いてくると実感したそうです。そして、施設のよいところは見習って、悪い部分を変えていける自分の介護の場所を作ろうと決意されたのだそうです。
そうして2年前グループホームを立ち上げました。いろんな苦労は当然されていますが、それはおいといて、ユニークだなと思ったのは、利用者の部屋には一切ベッドは置かないということです。皆さん布団で寝起きをします。これは意外とだいじではないかと思います。
認知症の人が寝たきりになってしまうのは、身体的障害ではなく、介護者が介護しやすい、つまり介護者側の論理で寝たきりにしてしまっていることが多いのです。認知症の方のほとんどは、自分で動けます。筋力は年齢による低下はありますが、使えるのです。使えるものは使わなければ退化します。そこで布団。寝起きはよっぽどのことがない限りかならずしてもらいます。そこで筋力を使います。それは刺激にもなります。
それから、ここの特色として、食事の時間は基本的に利用者が決めるというのです。ぼくが訪問したときは2時過ぎでしたが、ちょうど食事を終えられた女性が一人いました。次に食事をしようと、男性の利用者が出てきました。一軒の家を改造したグループホームの中はとてもゆったりとした時間が流れていました。
もう一つ驚いたのは(本当は驚くべきことではないはずなのですが)、どんな認知症の方でも受け入れるということです。ぼくがヘルパー1級の研修で行ったグループホームは、とても自信満々で「うちは何一つ問題なく運営しています」と言っていたところでしたが、まず入所条件に「問題行動がないこと」をうたっていました。問題行動があるから引き受けて欲しいのに。どういうこと? と?マークが幾つもでてきて、最後のレポートに疑問に思うことを全部あげましたら、そこの責任者はとてもあわてて、「こんなことを言われたのは初めてです」なんて言ってました。はっきり言ってこういうグループホームこそ問題なんじゃないの、と思います。何のための施設なのか、そういうことをしっかり理解して運営してもらいたいものです。
で、このNPO法人のグループホームはむしろそういう問題行動の方に来てもらいたいというのです。顕著な例ですがこんなことがあったそうです。とても問題が多くてどこの施設でも断られ、すがる思いで家族が連れてきた女性の高齢者でした。いろんな問題を聞いていたので、危険なものは全て隠して、迎え入れました。初日、施設の仕組みなどを説明し、ひと段落してお風呂の時間になりました。そのことを伝え、いろいろ準備をしていると、着替えをきちんと用意して「もう入ってもいいのかしら」とお風呂場に現れました。その応対が家族から聞かされていた事とずいぶんちがうので驚いたとのことでした。それからその方は、特に問題行動のようなものはなく、今に至っているそうです。
理事長と話していて、判ったのですが、この方はきちんと相手を認める力があるのだということでした。認知症に関わらず、相手に自分を認めてもらえるということは大きな励みになります。食事の時間を利用者に合わせるのもその一つですね。そのことを十二分にわかって、ケアを行っているのだと思います。そしてスタッフにもそれがきちんと伝わっている。それがなんだか奇跡にも思える結果につながっているのではないでしょうか。
rumioxy at 23:45 │Comments(1)TrackBack(0)介護 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by ケア・スポット梅津    2006年01月11日 16:26
老健ですが
日々http://blog.livedoor.jp/doubley/
ブログから発信中!!!

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔